私はお菓子作りをよくするので、重曹ときくとお菓子作りに使うものというイメージがあります。
しかし「重曹って掃除に使うものでしょ?」という方もいると思います。
重曹を使った掃除方法は、ここ何年かで話題になり定番になっていますよね。
重曹の食用と掃除用の違いはあるのでしょうか?
そこで今回は
- 重曹の食用と掃除用の違いは?
- 食用重曹の使い方
- 掃除用重曹の使い方
3つについてまとめました。
重曹の食用と掃除用の違いは?

重曹の食用と掃除用の違いは、「口に入れても害はないかどうか」です。
そもそも重曹とはアルカリ性の物質のことで、炭酸水素ナトリウムまたは重炭酸ソーダのこと。
電気分解した食塩に二酸化炭素を入れて作っています。
重曹は作る過程において医薬品用・食用・工業用と3つに分類されるのですが、掃除用重曹は工業用に分けられます。
医薬品用・食用・工業用の順に含まれる不純物の割合が少なくなり、安全性も高くなるというわけですね。
医薬品用と食用の重曹は口に入れても害はないように作られていますが、工業用は口に入れることを前提に作ってはありません。
なので余った食用重曹を掃除に使うことはあっても、掃除用重曹をお菓子作りなどの食用重曹の代わりとして使うことはやめましょう!
重曹が食用か掃除用か見分けるためには、スーパーなどの売り場をチェックするのも◎
- 食用重曹⇒製菓コーナーや漬物を作る調味料のコーナーなど
- 掃除用重曹⇒お掃除コーナーや日用品売り場など
迷った場合はパッケージをよく確認してみてくださいね。
食用重曹の使い方

食用重曹はスーパーなどで50g120円前後で手に入ります。
食用重曹の主な使い方は3つ。
- 膨張剤として使う
- 下ごしらえに使う
- 料理をよりおいしくするために使う
それぞれ詳しく見ていきましょう!
膨張剤として使う

私がよくやる重曹の使い方です。
焼き菓子など作るときにいわゆる膨らし粉を使いますよね。
代表的なものがベーキングパウダーと重曹ですが、2つの違いは「生地が縦に膨らむか、横に膨らむか」です。
ベーキングパウダーを使うとお菓子の生地は縦に膨らみやすくなります。
高さを出したいマフィンやマドレーヌなど洋菓子に使うことが多いですよね。
一方、重曹を使うとお菓子の生地は横に膨らみやすくなり高さはそれほどでません。
どら焼きやたい焼きなどの和菓子に重曹が活用されるのは、生地に高さが必要ではないというだけではありません。
重曹を使うと生地が少し黄色がかったように焼き色が濃くなります。
また重曹独特の風味と香りがどら焼きやたい焼きといった素朴な和菓子によく合い、さらにおいしくしてくれるから。
生地を膨らませてよりおいしくするために、お菓子作りに重曹は欠かせませんね◎
下ごしらえに使う
わらびやぜんまいといった山菜やたけのこ、ごぼうやれんこんといった根菜のあく抜きに重曹がぴったりです。
なぜかというと重曹に含まれるアクリル成分が山菜や根菜の繊維を柔らかくしてくれるからなんですね。
あく抜きの方法は簡単!
80℃ほどの熱湯1リットルに小さじ1杯の重曹を溶かして、山菜や根菜ならつけておくだけ。
山菜は湯が冷めるまで、根菜は10分ほどつけたら水にさらしましょう。
たけのこなら1時間ほど柔らかくなるまで煮るだけで大丈夫◎
また重曹はたんぱく質も分解してくれるので、お肉を柔らかくしてくれます。
重曹小さじ1杯をお肉になじませて5分置いてからいつも通りに調理してください。
同じようにイカやエビといった魚介類も、重曹小さじ1/2杯で軽くもんでから水洗いすればプリプリの食感になりおいしいですよ♪
料理をよりおいしくするために使う

下ごしらえだけではありません。
- ほうれん草や枝豆、小松菜といった緑色の野菜をゆでるときに重曹小さじ1/3ほど加えれば色鮮やかな緑色にゆであがる
- 天ぷら粉のなかに重曹小さじ1/3杯加えると天ぷらがサクサクに仕上がる
- 水500㏄に重曹小さじ1杯の割合で混ぜたところに豆腐を入れて煮れば豆腐がトロトロの湯豆腐のような食感に仕上がる
いつもの料理に重曹をほんの少し加えるだけで、料理をよりおいしくしてくれるなんて重曹ってすごいですよね!
掃除用重曹の使い方

掃除用の重曹は1キロ340円ほどで手に入ります。

ポチップ
食用重曹と同じく粉状で売られていることが多いのですが、掃除用重曹は粉状のまま使うことも水に溶かしてスプレーとして使うこともできますよ。
粉状で使う場合と水に溶かして使う場合とそれぞれ得意な掃除方法があるので紹介しますね。
粉状で使う場合

重曹は粉状のままふりかけるだけで使うことができます。
粉状の重曹は研磨効果があるので、鍋の焦げ付きやポットの茶渋などにふりかけてスポンジでこすればこびりついた汚れを磨いて落としてくれるんです。
また高い消臭効果があるのも粉状の重曹の特徴!
キッチンの三角コーナーや排水口など生ごみのにおいが気になる場所に直接重曹をふりかけるだけでにおいを抑えてくれます。
冷蔵庫の中や靴箱など直接ふりかけることができない場所には、容器に入れた重曹を置いておくだけでOK!
そして重曹は洗濯にも使うことができるんです。
通常の洗剤の半分の量を重曹に置き換えてください。
あとはいつも通りに洗濯をするだけで皮脂汚れを落とす効果があがり洗浄効果がアップしますよ◎
重曹を洗濯に使う際はぬるま湯を使用してくださいね。
水に溶かして使う場合

重曹を水に溶かした重曹スプレーを作っておけばいつでもさっと掃除をすることができます。
重曹スプレーの作り方
水100mlに対して重曹を小さじ1杯入れて混ぜるだけ!
できた重曹スプレーを汚れの気になるところにシュッとしてふき取ればきれいになりますよ。
特に重曹スプレーの効果を発揮する場所はキッチンです。
キッチンの気になる汚れといえば油汚れですよね。
アルカリ性である重曹が酸性の油汚れと中和することで簡単に汚れを落としてくれるのです。
頑固なこびりつき汚れには重曹ペーストがおすすめです。
重曹ペーストの作り方
水1に対して重曹2の割合でペースト状に練るだけ!
換気扇やコンロの五徳などこびりついた汚れに重曹ペーストをぬって20分ほど置いたあとスポンジでこすってください。
その後水で洗い流すだけでピカピカになりますよ!
洗い流せない場所は濡れ布巾などでふきあげてくださいね。
掃除用重曹を使うときの注意点として、使う場所の素材を確認するのを忘れずに。
重曹はアルカリ性なのでアルミ素材に使うと黒く変色させてしまいます。
重曹の食用と掃除用の違い掃除用重曹であく抜きしてしまった話【実体験と正しい知識】
料理しながらスマホで調べ物をする、という悪い癖があります。「重曹であく抜きが早くできる」という情報を見つけたのも、そういうながら作業の最中でした。手元にあった重曹をそのまま鍋に入れて、茹でている途中でようやく袋をちゃんと見たら掃除用だった。我ながらひどい話ですが、これが実際に起きたことです。
そもそもなぜ間違えたのか
たけのこをもらったのがきっかけです。もらったはいいけど、あく抜きって米ぬかが必要なイメージがあって、家になかった。調べたら「重曹でも代用できる」と出てきて、じゃあやってみようと思ったわけです。
キッチンの棚を見たら白い粉末の袋がある。重曹だ、使おう。それだけの判断でした。袋のデザインが地味で、細かい文字なんて読んでいなかった。掃除用に買ったものだと頭にあったはずなのに、その記憶がすっぽり抜けていたんです。
鍋に入れて火にかけて、しばらくしてから「あれ、これどこで買ったやつだっけ」とふと思って袋を手に取ったら、端っこに小さく「掃除・洗濯用途」と書いてありました。茹でているたけのこを見て、袋を見て、また鍋を見て。しばらく何もできませんでした。
掃除用と食用、見た目以外に何が違うのか
同じ炭酸水素ナトリウムなのに、なぜ用途を分けているのか。この疑問から調べ始めました。
製造グレードの話
| 食用重曹 | 掃除用重曹 | |
|---|---|---|
| 規格 | 食品添加物グレード | 工業グレード |
| 品質管理 | 食品衛生法に準拠 | 食品基準の対象外 |
| 不純物の管理 | 厳しく規定あり | 食品基準外 |
| 想定用途 | 料理・製菓など | 掃除・消臭など |
成分名は同じでも、作る過程での管理基準が根本的に違います。食用重曹は食品添加物として認可を受けるために、不純物の量や製造環境が厳しく管理されています。掃除用はそもそも口に入れることを想定していないので、そのレベルの管理をする必要がない。
値段が違うのもそのためです。食用の方が割高なのは、品質管理にコストがかかっているから。安いからといって掃除用を代用するのはリスクがあります。
微量の不純物の問題
「少し食べたくらい大丈夫では?」と思う人もいるかもしれません。自分も最初はそう思いました。ただ、掃除用重曹には製造過程で混入した微量の不純物が含まれている可能性があります。その種類や量は製品によって異なるため、一概に「安全」とは言えないというのが正直なところです。
気づいた後、どう対処したか
まず火を止めて、たけのこを取り出しました。とりあえず大量の水で何度も洗いましたが、結局食べるのはやめました。鍋も洗い直して、残っていたお湯は全部捨てました。
体への影響は特にありませんでしたが、それはたけのこを食べなかったからだと思っています。茹でている途中に気づいたのは不幸中の幸いでした。
気になったのは、茹でているときの泡立ちがなんとなく多かったこと。重曹の反応として普通の範囲なのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。素人には判断できませんでしたが、「いつもと違う気がする」という感覚はありました。
食用重曹を使った正しいあく抜きの方法
失敗した本人が言うのもどうかと思いますが、正しいやり方をちゃんとまとめておきます。
たけのこのあく抜き
必要なもの
- 食用重曹(「食品添加物」表記があるもの)
- 水1リットルに対して重曹小さじ1が目安
やり方
- たけのこの皮をむいて穂先を斜めに切り落とす
- 鍋に水と重曹を入れてよく混ぜる
- たけのこを入れて火にかける
- 沸騰したら弱火にして40〜50分茹でる
- 火を止めてそのまま冷めるまで放置
- 流水でよく洗ってから調理に使う
重曹を入れすぎると苦みが残るので、分量は守った方がいいです。少し物足りないくらいの量から試すのが無難です。
ワラビ・ぜんまいのあく抜き
山菜類も重曹であく抜きができます。
やり方
- 熱湯1リットルに食用重曹小さじ1を溶かす
- 火を止めてからワラビを入れる
- 落し蓋をして一晩(8時間以上)置く
- 翌朝、流水でよく洗い流す
火を止めてから入れるのが重要です。沸騰した状態に入れると溶けすぎてしまいます。初めてやったときにこれを知らなくて、ぐずぐずになったことがあります。
食用重曹の正しい選び方
同じ棚に並んでいることも多いので、購入時に確認するポイントをまとめます。
袋・容器のどこかに「食品添加物」と書いてあるか
これが一番シンプルな確認方法です。食用として販売されているものは必ずこの表記があります。逆に言えば、この表記がないものは料理に使わないと決めておけば間違えません。
原材料名を確認する
食用重曹の原材料名は「炭酸水素ナトリウム」のみのはずです。それ以外の記載がある場合は注意が必要です。
どのメーカーが出しているか
食品メーカーや製菓材料を扱うメーカーから出ているものは食用グレードであることがほとんどです。掃除用品ブランドや日用品メーカーから出ているものは、基本的に食用ではないと考えた方が無難です。
この件があってから変えたこと
一番変えたのは収納の仕方です。
それまでキッチンの棚に掃除用品と食品が混在していました。重曹もクエン酸も、白い粉末という見た目が似ているものは特に危ない。今は食品・調味料・食品添加物は専用の棚に固定して、掃除用品は洗面台下の収納に完全に分けています。
あとは使う前にラベルを読む習慣をつけました。当たり前のことですが、「よく知っているもの」ほど確認をさぼりがちです。慣れているからこそ、意識してラベルを見るようにしています。
キッチンに置くのは食品グレードのものだけ、というルールを一度決めてしまえば、あとは考えなくてもよくなります。それだけで今回みたいなミスはほぼ防げます。
まとめ
掃除用重曹でのあく抜きは、気づいたときに本当に焦りました。食べずに済んだのは運がよかっただけで、知らずに食卓に出していたら、と思うとぞっとします。
料理で重曹を使うときは必ず食品添加物グレードの食用重曹を選んでください。価格は少し高いけど、その差は安全性の差です。
同じ失敗をしないための一番の予防策は、掃除用品とキッチン用品を物理的に別の場所に保管すること。仕組みで防ぐのが、一番確実な方法だと思っています。
⚠️ 掃除用重曹を誤って食べてしまった場合は、まず大量の水を飲んで様子をみてください。体調に変化が出た場合や大量に食べてしまった場合は、自己判断せず医療機関または日本中毒情報センター(#3999)にご連絡ください。